ありがとうが言える距離

ありがとうが言える距離というのは

本当に大事だ。

ありきたりで普通で日常で些細で

埋もれてしまうけれど

友達が普通にいて

大切な人がいて

誰かがいつでも居てくれるか

連絡できる距離にいる

そんな人には本当に思っていても

言えなかったり

そんな人にはありきたりなもので

感謝の気持ちが薄れたり

するけれど

俺もそうだった

ありきたりで普通で日常で

だったから捨てられた。

あっさりとさっさときりきりと

ゴミを捨てるのと同じように

切り捨てた。

そして長い時間独りでいた

本当に本当に長い時間だった

永遠に続くかとも思った

誰にも気づかれず

話しかけてきたと思えば

用事がすめばさっさと俺を置いて

金か悩みごとかやつあたりか。

用事がすめばどこかへ行ってしまう

本当に幽霊にでもなったのかとおもった

本当に透明人間になったのかとおもった

だからこそ

ゴミのように捨てた

あっさりとさっさと捨てた

それが特別なものだと知った

それがどれだけ尊く

それがどれだけ大切で

それがどれだけかけがえないか

それを知ることができた

そして

それを気づいたときには遅かった

ありがとうも

ごめんも

言える距離には居なかったから

だからこそ思った

ありがとうやごめんを

言える距離に居てくれるときに言おうと

くどいと思われるくらいに言おうと

何度でも文字でも言葉でも言おうと

こんな自分を他の誰かと同じように

扱ってくれて嬉しかった

こんな自分の名前を覚えてくれることが

嬉しかった

こんな自分のことを心配してくれることが

嬉しかった

でも

本当に間に合わなくなる前に言えてよかった

言えなくなってからでは全てが遅い

ただ、俺が普通の人のように扱ってもらったからか

勘違いしたのか

欲張りになってきたのか

ありがとうをひとたび言えば

言葉があふれてきそうになる。

でも俺だけではない

みんな。それぞれ言いたい言葉を

ありがとうを持っている。

それを塞き止める権利を

俺にない。

誰にもない。

それだけが心配だ。

時間は流れを止めてはくれない

平等に流れる

言えなかった痛みがあるように

言えたからこその痛みもある

俺も後悔のない時間を過ごしていたい

誰にでも後悔のない時間を過ごしてほしい

自分の周りの人たちが

笑える明日を迎えられますように。願う